社長メッセージ

取締役社長 飯山俊康

野村資本市場研究所は、金融・資本市場および金融機関の制度・構造・動向などを専門的に研究する機関として2004年に発足しました。

私たちの研究の基本方針は、「中立性」「専門性」「実践性」です。国内外の市場や制度を中立的かつ客観的に調査・分析し、専門性の高いアウトプットを国内外に向けて発信することで、金融・資本市場と金融サービス業界の発展に貢献することを目指してまいりました。実務に根ざした調査研究と政策提言で、それなりの成果を収めてきたと信じています。この姿勢は、今後も維持していきたいと考えています。

他方、内外の金融・資本市場を取り巻く環境が激しく変化していることは、紛れもない事実です。日本国内では人口高齢化が着実に進行し、社会・経済構造に多大な影響を及ぼそうとしています。成熟期を迎えた日本が持つ最大のリソースが、約1,800兆円の家計金融資産であり、これを有効活用することが、日本の将来にとって決定的に重要と言えます。また、日々進化するデジタル技術をいかに活用できるかも鍵を握るでしょう。金融機関は、従来と異なる発想の下で、生き残りを模索していく必要があると思われます。

世界に目を転ずれば、急速な発展を見せる中国を含むアジアが、今後、世界経済の原動力となり、存在感を増していくでしょう。ただ、そのような中で保護主義の台頭が懸念されており、グローバル金融の枠組みが今後どう変化していくのか、目が離せません。グローバル金融危機を経て、国際協調の下で規制強化が進められてきましたが、足下では、市場の分断のリスクといった課題も生じているところです。

近年では、気候変動リスクをはじめとするESG・SDGsに関わる問題への関心が国際的に高まっています。そうした中、サステナビリティに関わる課題解決に金融・資本市場が如何に貢献できるかも、避けては通れない課題です。

私たちは、このような時代の変化について考察し、これまで以上に時宜を得た調査・研究、提言を行っていく所存です。アジアに立脚したグローバル展開を目指す野村グループの一員という特性を活かしつつ、日本の金融・資本市場がアジアと共に発展するのを支援していきたいと考えています。

取締役社長 飯山俊康