欧州市場 2021年1月〜3月の出来事

2021年 1月

9日

英国財務省、休眠資産の活用対象に預金以外の金融商品を加える方針を公表。証券・保険・年金等にも対象範囲を拡大するための法改正を行う予定。
12日

英国インベスター・フォーラム、気候関連財務情報開示タスクフォース（TCFD）開示に関する拘束力のない株主決議の義務化（Say on climate）を求める提言を発表。
19日

欧州委員会、欧州連合（EU）の経済・金融システムの強化に向けた政策文書を公表。ユーロをサステナブル金融商品のデフォルト通貨とすること等に取り組む方針を表明。
欧州資本市場協会（AFME）、コロナ禍で打撃を受けた中小企業の資本構成の再構築に関する提言を発表。EU共通で利用可能なハイブリッド証券の導入等を要望。
26日

UBS、2020年末のグローバル・ウェルス・マネジメント部門の預かり資産が3兆ドルを超えたと発表。コロナ禍で対面営業が制約された中でも、コロナ前の水準を突破。
27日

JPモルガン、英国でオンライン・リテール銀行を立ち上げる方針を発表。ゴールドマン・サックスのマーカスに続く、米国大手銀行の英国リテール銀行市場での展開。
英国財務省、スイスとの金融分野での包括的な相互承認協定の締結交渉に取り組むと表明。銀行、保険、資産運用、資本市場など幅広い分野を交渉の対象とする予定。
29日

ロンドン証券取引所（LSE）グループ、リフィニティブの全株式の取得完了を発表。金融データ・サービスの強化を目指す。
英国金融行為規制機構（FCA）、米国のゲームストップ株等の乱高下をふまえて、英国の個人投資家に注意喚起を促す声明を公表。

2021年 2月

3日

英国投資協会、発行体にロンドン銀行間取引金利（LIBOR）参照債においてLIBORからの移行を求めるCEO宛レターを発出。既発債の移行が芳しくないことを踏まえた要請。
9日

仏大手銀行BPCE、傘下のナティクシスの株式に対する公開買付の実施を発表。BPCE自体が非上場である中で、グループ構造を簡素化することが狙い。
11日

コメルツ銀行、新たなリストラ計画「ストラテジー2024」を発表。支店数を790店舗から450店舗に大幅に削減することなどにより収益性の改善を目指す方針。
12日

ユーロネクスト・アムステルダム、同取引所では初の環境・社会・ガバナンス（ESG）企業の買収を目的とした特別買収目的会社（SPAC）が上場。
LIBOR公表停止に備えたEUベンチマーク規則の改正、官報に掲載され成立。LIBORからの移行が困難な既存取引の参照金利を一律に置き換える権限を欧州委員会に付与。
26日

英国財務省、フィンテック・レビューに関する報告書を公表。成長企業VISAの導入や10億ポンド規模のフィンテック成長ファンドの設立などを提言。

2021年 3月

1日

ドイツ電力大手エーオン、欧州で初となるEUタクソノミーと国際資本市場協会のグリーンボンド原則の両方を順守したグリーン・ボンド・フレームワークを発表。
3日

アムンディ、テクノロジー・サービスを提供する専門部署アムンディ・テクノロジーの新設を発表。同社のクラウド・サービスALTOの機関投資家への提供を強化する方針。
英国財務省、上場制度の見直しに関する報告書を公表。LSEのプレミアム・セグメントにおける種類株の容認や、SPACに関する規制の見直し等を提言。
4日

欧州委員会、フランス政府のコロナ禍対応の新たな中小企業支援策を承認。民間投資ビークルが貸出や劣後債を取得する場合に、フランス政府が最大30％の政府保証を提供。
5日

FCA、LIBORの公表停止日を公表。主要なテナーのドルLIBORは2023年6月末、残りの通貨・テナーのLIBORは2021年末から公表を停止または指標性を喪失する予定。
10日

EUのサステナブル・ファイナンス開示規則（SFDR）、適用を開始。欧州委員会による細則策定が間に合っていないため、細則無しでの適用開始。
11日

BNPパリバ、フランスの証券ブローカーであるエグザーヌの株式の完全取得を検討している旨を発表。エクイティ事業の強化を狙う。
24日

英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省、英国企業のTCFD開示に関する市中協議文書を公表。非上場企業を含む大企業にTCFD開示を義務付けることを提案。
25日

英国の大手株式型クラウド・ファンディング業者であるクラウドキューブとシーダーズ、英国競争・市場庁（CMA）の反対意見を踏まえて合併を断念すると発表。
26日

英国政府とEU、金融規制協力に関する覚書（MOU）の締結に合意。今後、金融関連の問題を話し合う合同金融規制フォーラムを設立する予定。