1. 7月31日、ロンドン証券取引所は10月20日にSETSと称するオーダー・ドリブン方式に基づいた新取引システムを導入することを決定した。これまでマーケット・メーカー制を採用してきたロンドン証券取引所が、オーダー・ドリブン方式を導入するのは画期的なことである。SETSは、まずFTSE100銘柄についてSETSを導入し、その後の経過を見て対象銘柄を拡大していく予定である。
2. 新システムの導入は、(1)マーケット・メーカーの気配値が実勢を反映していないという批判、(2)投資家の取引システムに関する需要の変化、(3)取引所ルールが競争を歪めているという公正取引庁からの指摘、(4)オーダー・ドリブン制を採用した他の取引所との競争、を背景としたものである。
3. ロンドン証券取引所では、新取引システムの導入により、(1)取引の効率性の向上、(2)取引コストの低下、(3)透明性の向上、を図ることができる、としている。
4. ロンドン証券取引所は、新しい決済システムCrestの完全稼働も間近に控えている。取引システムおよび決済システムの改革によってロンドン証券取引所が活性化するか、注目される。また、取引システムの見直しを検討している我が国の証券取引所にとっても参考となろう。
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