1. 8月11日、総資産ベースでスイス最大の銀行であるクレディ・スイスと、スイスの4大保険会社の一つであるヴィンタートゥーア保険が合併することで合意したことを発表した。総資産ベースで欧州第3位の総合金融機関が誕生することになる。
2. スイスでは、3大銀行と4大保険会社が何らかの形で提携を結んでおり、クレディ・スイスとヴィンタートゥーアも昨年から、企業年金を専門とする保険会社を共同で設立するなど、既に提携関係を結んでいた。
3. ただ、大型合併に至るのは今回が初めてである。その背景としては、クレディ・スイスのグート会長が以前より規模を重視していたこと、ヴィンタートゥーア側に保険業務だけでは独立を貫くことは難しいという判断があったと思われること、が考えられる。また、両社の合併は昨年からの既定路線で、行動する投資家として有名なエブナー氏がヴィンタートゥーア株式の25%を買い占め経営に圧力をかける姿勢を示したことが、引き金となったとの見方もある。
4. 欧州では、80年代後半から、銀行業務と保険業務の兼営(バンカシュランス)が見られた。当初の銀行と保険会社の協力という面が薄れ、最近は銀行の保険市場への進出という意味合いが強くなっている。これに対し、英国の大手保険会社が銀行業務に乗り出すといった新しい動きも見られるようになっており、今後の動向が注目される。
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