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資本市場クォータリー 1997年夏号
金融ビッグバンから経営ビッグバンへ
淵田 康之
要約
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1. 97年6月、三審議会の報告が出され、日本版ビッグバンの全貌がほぼ固まった。護送船団体制から競争体制への転換である。これからの金融界は、競争力の低さを規制のせいにするのではなく、自らの経営の問題としてとらえる必要がある。

2. ビッグバンを通じ、持ち合い関係の見直し、パフォーマンスの重視、受託者責任の明確化、行動する株主の台頭も予想される。規制緩和に加え、こうしたコーポレートガバナンス上のプレッシャーも、金融機関経営のあり方に変革を迫ろう。

3. さらに、欧米金融機関が劇的な変貌を遂げ、競争力を強化しつつある。早急な改革を実現しなければ、グローバルな競争に取り残されるだけである。

4. 情報テクノロジーの発展の結果、海外金融機関が、容易に、日本のローカルな顧客にまで、サービスを提供できる時代になっている点も見逃せない。

5. 外資系とグローバルに競争するにせよ、ローカル業者としての強みを模索するにせよ、個々の金融機関は、経営のビッグバンを実現し、「内なる護送船段体制」から脱却していかなければならない。

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