1. 下院銀行委員会は6月20日、銀行業と証券業との分離を定めたグラス・スティーガル法の廃止を盛り込んだ金融サービス競争法(the Financial Services Competition Act of 1997)を28対26の僅差で可決した。
2. グラス・スティーガル法20条の撤廃、銀行持ち株会社法の修正がなされることで、銀行、証券、保険の相互参入が可能になる。
3. 今回の一連の金融制度改革の動向を占う上で最大の焦点となっている「銀行と一般事業会社の分離」(separation of banking and commerce)に関して、下院銀行委員会では双方向の株式保有が可能になる形で決着がついた。
4. 今回下院銀行委員会で可決された法案は今後、下院商業委員会、司法委員会の審議を経て、下院本会議に送付されることになる。しかし、銀行委員会と商業委員会との主権管轄論争が未決着なため、商業委員会での審議開始が9月にずれ込み、下院本会議での審議は10月に入ってからになるのではないか、という見方もある。法案の修正余地も相当程度残っていると見られることから、審議の難航が予想される。
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