1. 6月下旬、イリノイ州において、金融機関に保険販売を認める法律が可決された。昨年のバーネット判決以来、州法銀行にも国法銀行同様の保険販売を認める動きが広がっていたが、この法律は、州内のあらゆる金融機関による保険販売を全面的に解禁したものである。加えて、6月20日に下院銀行委員会を通過した金融サービス競争法案のなかにも、銀行の保険販売(タイトル・インシュアランスを除く)を連邦レベルで全面解禁する条項が盛り込まれており、銀行の保険販売をめぐる動きは一段と加速している。
2. これに対し、6月24日に行われた金融サービス競争法に関する公聴会で、保険業界および保険監督業界は、銀行の保険業務に対する監督も、保険業の監督に精通した州当局が行うべき、との主張を繰り返した。銀行の保険業進出の流れを止めることが難しくなった現在、保険業界側は、議論の争点を銀行の保険業務進出の是非から州保険局による監督体制の維持に移していることが伺えよう。
3. 保険業界は、insurance riskとinvestment riskの違いを強調、両者のリスクの根本的な違いゆえに、両者の管理、監督も全く別の体制でなければならないとして、州当局による監督体制の重要性を指摘している。
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