1. 昨年度は、団体年金の保証利率(予定利率)の引き下げにより、団体年金資金が流出、戦後初めて生保の資産が減少する事態となった。また、個人保険、個人年金、団体保険の販売も低迷した。
2. 販売の低迷により、保険料収入は減少し、一方で、解約金の支払いなどにより保険金等の支払いが増加。昨年度は、団体年金の予定利率の引き下げ、個人分野における前年の駆け込み需要の影響も大きいが、保険料収入の低迷、保険金などの支払いの増加は今後も傾向として続くと思われる。
3. 年度末へかけての株価の下落により、株式の多額の評価損が生じた。各社、経常利益を確保するための有価証券の売却益の計上が続いた。
4. 不良債権は、各社で償却が進んだが、日債銀系ノンバンクの例のように、今後、新たに表面化する不良債権が出てくることも考えられる。
5. 株価の下落と売却益の計上により、有価証券の含み益は減少し、底をついたところも出た。また、株式の帳簿価額が上昇し、株価の下落リスクを抱えているところもある。
6. 今後とも販売の低迷、資産規模の停滞は続くと考えられ、生命保険会社は拡大指向に対応した経営の見直しが必要となろう。
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