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資本市場クォータリー 1998年秋号
米国大手保険会社の株式会社化
沼田 優子
要約
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1. 98年、米国保険会社最大手のプルデンシャルを初め、大手保険会社が次々と株式会社化を表明した。米国では、80年代半ば以降、株式会社化の動きが活発化しているが、90年代の9案件を見ても、大手はエクイタブル1社のみであり、21世紀に向けての大掛かりな組織改正は、これから本格化すると言えよう。

2. 米国大手保険会社が株式会社化を決意した背景には、(1)利回り重視型商品のシェア拡大、(2)保険市場の成熟化と個人年金(アニュイティ)市場の拡大、(3)企業年金市場におけるシェア拡大の試みと失敗、(4)金融コングロマリット化の再燃、がある。

3. 株式会社化の目的は、保険業界の業績が改善されるにつれ、経営危機からの脱出よりも、むしろ金融機関再編の動きに対応した競争力の強化へと、移りつつある。

4. 保険会社の株式会社化は、経営効率改善の一手段であり、それ自体がゴールとなる訳ではない。むしろ、公開会社並に株主価値の最大化を目指し、十分なディスクロージャーを行える体制を整えなければならないため、保険会社にとっての課題は多い。

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