1. 4月1日、改正外為法(外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律)が施行された。今回の外為法改正は、ビッグバンのフロントランナーとして位置づけられており、世間では、その実施がビッグバンの開始と捉えられていることも多い。
2. 今回の外為法改正により、外国為替公認銀行、指定証券会社、両替商に外国為替取引を事実上集中させる制度が廃止され、全ての取引について事後報告制度が導入された。
3. 個人取引については、(1)海外預金についてはこれまでも2億円まで自由であったこと、(2)煩雑な事務手続きが生じること、(3)所得税の限界税率が高い人にとっては税負担が重くなること、(4)キャピタル・ゲインについて源泉分離課税が利用できないこと、等から海外の金融機関との間で直接取引が急速に拡大する合理的理由はない。メリットとしては、業者間の競争による為替手数料の低下や外貨関連サービスの向上という点があげられる。
4. 企業にとっては、為替手数料の低下はもちろん、外貨決済の導入による為替リスクの削減やネッティング導入による決済コストの削減等、今回の外為法改正の影響は個人とは比べものにならないほど大きいと思われる。
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