1. 銀行、証券、保険の相互参入を認める米国金融サービス法案(Financial Services Act of 1998)が、5月にも下院本会議での審議・採決にかけられる運びとなった。同法案は、昨年下院銀行委員会、同商業委員会を通過した法案を一本化して作成されたものである。
2. シティコープとトラベラーズとの合併が発表されるなど、同法案成立の気運が高まっている、との見方もある。しかしながら、FRBやOCCなどの銀行監督当局によって、銀行の業務範囲は既にかなり拡大されてきており、この法案成立で銀行業界が新たに得られるメリットは、むしろ限定的である。仮に、証券・保険業界寄りの法案が成立した場合には、銀行の業務範囲は現行よりも狭められる可能性も大いにある。
3. 本年は、11月に中間選挙を控え、法案審議のために残された期間が残り少ないことをも考慮すると、同法案成立は、依然として厳しい状況にあろう。
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