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資本市場クォータリー 1998年春号
カルパースの求める日本企業のガバナンス
橋本 基美
要約
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1. 米国最大の公的年金基金であり、日本への投資が40億ドルを超える国際投資家であるカルパースは、独自のグローバル・ガバナンス原則に基づき、英・仏に続いて日本版コーポレート・ガバナンス原則を採択した。

2. カルパースの日本版ガバナンス原則が推奨する日本コーポレート・ガヴァナンス・フォーラムのガヴァナンス原則(中間報告)は、欧米の考え方に日本独自の発想も加えた新しい企業統治システムの構築を目指し、「17条の規範」を示している。

3. 日本版ガバナンス原則では、取締役と株主との関係強化を求めて、日本企業に対し、(1)最善の行為規範の採用、(2)取締役の減員と社外取締役の登用、(3)総会での投票結果のディスクロージャー、(4)業績にリンクしたストック・オプション・プランの採用、(5)株式持ち合いの縮小などが求められている。

4. 同原則は、投資先の日本企業にとって、98年の株主総会におけるカルパースの行動の目安になる一方、株主にとっては、合理的な議決権行使のベンチマークとなるだろう。だが、海外からの要請だけではなく、わが国独自の統一したガバナンス原則についての議論を盛り上げていくべきである。

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