1. 98年6月25日、アメリカン証券取引所(AMEX)の臨時会員総会は、Nasdaq市場との合併合意を賛成622、反対206で承認した。これにより、世界最大の組織的な株式市場であるNasdaq市場と全米第二の証券取引所であるAMEXが、年内にも、全米証券業協会(NASD)という一つの組織の下に置かれることになった。
2. 合併に伴い、NASDは、AMEXの取引システム高度化や共同のマーケティング活動推進のために1億4千万ドルの投資を行う。また、経営参加権を失うことや新たな会員募集が予想されることによって生じるAMEXの会員権価格下落に対する補償を行うために4千万ドルのファンドを創設する。
3. AMEXでの株式、オプションの取引は、当面、従来通りの形で続けられる。NASDとしては、クォート・ドリブン方式のNasdaq市場と並ぶ選択肢としてオーダー・ドリブン方式のAMEXへの上場を企業に提案することができるようになる。
4. 今回の合併は、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に大きく引き離されたAMEXにとって、起死回生の策と言える。ドイツ証券取引所とロンドン証券取引所の提携が発表されるなど、世界的に市場間の合従連衡が注目されている。
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