1. 98年6月8日、米国ミネアポリスに本拠を置く大手地銀ノーウェストとサンフランシスコを基盤とするウェルス・ファーゴが、対等合併を発表した。シティグループ、新バンカメリカに続く、米国大手金融機関間の大型合併である。
2. ノーウェストは、「銀行の衣をまとった小売業」といわれ、個人向けサービスの多様な品揃えと伝統的な店舗における対面販売を中心とする「ハイ・タッチ」なサービスで知られる。
3. 一方、ウェルス・ファーゴは、インターネット・バンキングをいち早く取り入れたり、電子マネーの実験に取り組むなど、「ハイ・テク」志向の銀行として知られる。
4. 今回の合併の最大の目的は、中西部を中心とするノーウェストと西部を基盤とするウェルス・ファーゴの組み合わせによる営業基盤の拡大と重複業務の整理によるコスト削減、ノウハウの共有による収益拡大である。今後は、ハイ・タッチとハイ・テクという異なる体質を有する両行の融合がうまく進むのかどうか、合併の行方が注目される。
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