1. 「金融サービス競争法」は、10月30日、33対11の賛成多数により、下院商業委員会を通過した。今後は、議事運営委員会(The Rules Committee)において、6月に下院銀行委員会を通過した法案と商業委員会法案との摺り合わせ作業を行ったうえで、下院本会議に送付される。
2. しかし、商業委員会法案は、銀行委員会法案と比して、1)銀行持ち株会社の非銀行子会社に対する監督権限、2)国法銀行の直接子会社の業務範囲などを中心に、銀行及び銀行監督当局にとって不利な内容になっており、調整作業は難航が予想される。
3. 一方で、証券、保険会社の間では、貯蓄金融機関の免許を申請する動きが加速していることも注目される。「金融サービス競争法」が施行されると、貯蓄金融機関が廃止され、銀行に一本化されることになる。貯蓄金融機関は、銀行に転換後も、従来からの銀行には認められない幅広い業務を継続することが出来、これを狙った駆け込み的な動きということが言える。
4. 今後の同法案の審議環境は厳しく、年内に下院本会議を通過する可能性はなくなった。
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