1. 日本版ビックバンによる業務規制の緩和により、証券業に新規参入した会社は、97年4月以降57社、98年12月の証券業の免許制から登録制への移行後だけでも27社に上り、証券業界は今まさに変革期を迎えている。
2. 証券業界全体の新しい動きは、親会社の特性や強みを生かした異業種からの進出の増加、金融グループ再編の中での証券会社の位置づけの見直しの進行、インターネットを活用したオンライン取引サービス提供への相次ぐ参入、といった特徴を持つ。
3. リテール証券業務の分野における新しい動きは、販売チャネルという観点から、多くの人手を必要としないインターネットを活用しながら低価格で簡便なサービスを提供しようとする方向と従来型の対面販売取引を重視しながら営業職員の属性や取扱い商品によって差別化を図ろうとする方向とに二分される。
4. ホール・セール証券業務の分野では、新規参入の証券会社が自らの得意分野に特化しようとしている。証券化商品、デリバティブ、プライベート・エクイティ、債券売買の仲介などのサービス分野である。
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