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資本市場クォータリー 1999年春号
我が国金融・企業システムの新たな航路
淵田 康之
要約
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1. 99年3月の大手銀行に対する公的資金注入と経営健全化計画の発表を契機に、株式市場の相場は回復に転じた。ビッグバンに加え、金融再生に向けての諸施策の結果、我が国の金融システムが、歴史的な方向転換を果たしたという投資家の評価の反映であろう。

2. 特に銀行業界については、当局が業界再編を促し、また業務の見直しやリスク管理体制の強化を、積極的に要求している。

3. 金融システムの変化は、企業システムの変化を促していこう。銀行との長期的関係に支えられ、銀行借入中心の時代から、市場からの調達のウェイトが高まる。市場においては、外国人投資家が大きなシェアを占めているため、グローバルに評価される経営を行っているかどうかが、企業にとってますます重要になる。

4. 金融システム、企業システムは方向は変わったが、変化のスピードは十分ではない。変化を促進し、我が国産業の競争力向上を図る上では、リスクキャピタルを必要とするセクターに適切に供給される必要がある。証券市場及びプライベートエクイティ市場の発展がそのためにも必要である。

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