1. 我が国では、金融監督庁によって提出された「金融検査マニュアル(中間とりまとめ)」を巡って、様々な議論が活発になされている。このマニュアルに基づく金融検査は、99年9月中間決算から導入される予定であり、今後金融検査を巡る議論がますます活発化することが予想される。
2. 英米における銀行検査の実態を見ると、次のような特徴が見て取れる。
(1)検査官の立入検査の頻度は、英米両国とも、銀行の資産規模や業務内容などによって異なり、当該銀行の置かれた状況を考慮して、検査頻度を決定している。
(2)米国では、従来資産規模のみに依拠する手数料体系をとっていたのを、1997年1月より、資産規模に加えて、検査(CAMELSによる格付)結果をも反映させる体系に変更した。
(3)金融検査官向けマニュアル、検査評価項目及び評価基準、評価結果などを公表するなど、英米ともに銀行界と金融監督当局とのコミュニケーションの円滑化が図られている。
3. 我が国でも、各行の自己責任意識を高められるような検査体制が期待される。
|