1. 99年2月1日、フランス第2位のソシエテ・ジェネラルと同じくフランスの有力投資銀行パリバが合併することを発表した。商業銀行業務と投資銀行業務を車の両輪としたフランス最強の金融機関が誕生することになる。
2. ソシエテ・ジェネラルは、積極的な拡大戦略を取ってきた。EU域内において、商業銀行業務から投資銀行業務、アセット・マネジメントまで、あらゆる金融業務を積極的に提供する「フル・サービス・バンク」を目指してきた。
3. 一方、パリバは、商業銀行業務の中核となるリテール銀行子会社を売却し、投資銀行業務への特化を目指してきた。
4. 国内基盤を固め、投資銀行業務を強化できるソシエテ・ジェネラルにとって、パリバは最適な合併相手であった。パリバの投資銀行特化戦略はわずか一年で見直されたことになる。その背景には、昨年の金融危機により、投資銀行業務収益の変動の大きさが明らかになったことがあると考えられる。
5. 欧州では、この他にも金融機関の再編が相次いでいる。通貨統合実現後、各行の戦略とその実行能力がこれまで以上に問われるようになった今、各行の動きが注目される。
|