1. 米国における社債市場の規模は1980年代以降拡大の一途を辿っており、その残高は、1980年末の5,084億ドルから98年末の3兆8,940億ドルと7.7倍に膨れている。米国債券市場全体に占める社債のシェアも18.7%となり、財務省証券の同25.5%に次ぐシェアとなっている。
2. 社債市場がプレゼンスを高める中で、一般投資家が価格情報を入手出来るシステムの構築は、売買報告システムACTを有するNasdaq市場はもとより、同GovPXが存在する財務省証券などと比しても、著しく遅れをとっている。
3. 社債市場の透明性向上を求める論議は、前第105議会で活発化し、NASD、債券市場協会(The Bond Market Committee、TBMC)などを中心に、報告システム構築へ向けた動きが活発化している。1999年債券価格競争促進法案(The Bond Price Competition Improvement Act of 1999)が、4月21日に下院商業委員会を通過したのも、一連の動きの一つである。
4. あらゆるマーケット参加者が市場に関する情報を入手出来、市場の透明性を高めることで、取引量が増大し、結果的に流動性が高まることが期待される。店頭市場も、Nasdaqシステム導入を契機に、飛躍的に売買高が増加している例もあることから、今後の動向が注目されよう。
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