1. 99年3月14日、米国ニュー・イングランド地方の大手地銀フリート・ファイナンシャルとバンク・ボストンが合併を発表した。両行の狙いは、(1)合併による体力強化、(2)銀行業務の大幅な効率化に伴う生産性向上、(3)互いの既存顧客に複数の商品・サービスを提供し合うクロス・セルによるシナジー効果、である。
2. フリート・ファイナンシャルは、買収による資産拡大を進めてきた銀行で、最近は、投資信託会社、ディスカウント・ブローカー、カード・ポートフォリオ等を次々に買収していた。他方、米国で最も古い銀行のバンク・ボストンは、法人業務、南米業務、ニュー・イングランド地方限定の銀行業務に特化しており、98年には投資銀行を買収した。
3. このように、銀行業務の営業基盤は重複するものの、非銀行業務の注力分野が大きく異なる両行が合併することにより、新銀行フリート・ボストンは、9事業部門の収益構成比がいずれも2割以下と、バランスの取れた総合金融サービス業者となる。
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