1. 99年6月23日、英国で時価総額第2位の銀行、ロイズTSBが、資産額で英国第7位の生命保険会社スコティッシュ・ウィドウズの買収を発表した。買収金額は70億ポンド(約1.4兆円)で、相互会社である同社の企業価値の1.4倍になる。
2. ロイズTSBは、アビー・ライフの買収などにより、生命保険業にすでに参入していたが、収益の柱には育っていなかった。有力保険会社の買収により、商品ラインの拡充、販売チャネルの多様化、コストの効率化により、生命保険業務をロイズTSBグループの収益の柱の一つとすることを目指す。
3. 英国では、貯蓄性の高い生命保険商品が中心で、投資信託と類似している。金利の低下や好調な運用環境により、投信や生命保険の人気が高まり、総合的な金融サービス業者を目指す金融機関は品揃えや販売チャネルの拡充が求められている。また、生命保険会社の側にも、コスト競争力を高めるための再編を求める動きがある。
4. 生命保険会社がリテール銀行業務に参入するようになったり、銀行商品、投資商品、生命保険を全てカバーする税制優遇貯蓄スキームが導入されるなど、銀行と生命保険会社の競争は一層高まっている。今後の再編の行方が注目される。
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