1. 米国では、99年に入って、マイクロソフト、ディズニーなどが相次いでトラッキング・ストックの発行を公表している。トラッキング・ストックとは、企業の特定の事業部門の業績にリンクした株式であり、普通株式と同様、市場で売買されている。
2. 80年代に登場したトラッキング・ストックは、M&Aや事業再編の手段として、その効果が注目されている。トラッキング・ストックは、別名レター・ストックやターゲッティド・ストックとも呼ばれ、様々な権利内容が定められている。
3. 証券会社DLJが99年5月にその100%子会社DLJディレクトの業績に連動するトラッキング・ストックを発行した。発行の主たる目的は、株主・投資家に対する投資対象に選択肢を与えるとともに、DLJディレクトの役職員を対象とするインセンティブ報酬プランの導入である。
4. 我が国では、産業を再生し、企業の競争力を高めるため、株式交換制度や会社分割法制などの諸施策が図られている中で、トラッキング・ストックのような多様な株式の発行も検討されてしかるべきと考える。
|