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資本市場クォータリー 1999年冬号
厳しい環境の続くわが国生命保険会社
―98年度上半期決算分析―
岡田 公現,井上 武
要約
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1. 98年度上半期において、わが国の生命保険会社の経営環境は依然として厳しい状況にある。個人保険、個人年金、団体保険、団体年金の主要保険4種は、97年度に引き続いて新契約高、保有契約高ともに減少した。

2. 保険料収入が減少する一方で、保険金等の支払いは高い水準を維持しており、資金の収支において厳しさが増している。

3. 逆ざや額の補填や不良債権の償却を行うために、有価証券売却益に頼る収益構造が継続している。

4. 運用難の中、より収益性の高い投資対象をもとめて、国債から社債・地方債へ、また、内外金利差や円安傾向から外貨建資産への投資を拡大した。

5. 株価の下落による含み益の大幅な減少、金融機関の経営破綻の影響による不良債権の増加は、各社の資産の内容を大幅に悪化させている。来年度からは、早期是正措置の導入も予定されており、各社とも自己資本対策が喫緊の課題となろう。

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