1. 「1986年金融サービス法」を改正し、英国の金融規制を定める「2000年金融サービス・市場法」が、2000年6月、ようやく成立した。これにより、1997年5月のブレア政権発足時に発表された金融・資本市場規制改革に法的な裏付けが与えられることになった。
2. 金融サービス・市場法によって、法律上の公的な金融、証券規制機関として位置づけられた金融サービス庁(FSA)が、銀行業、証券業、保険業を横断的に規制、監督することになる。
3. 99年6月17に大蔵省が議会に提出した法案は、2,100カ所もの修正を受け、金融サービス・市場法は、成立までに最も多くの修正を受けた法律となった。最も大きな議論となったのは、FSAの責任の確保、民事制裁に関する欧州人権条約との整合性、企業買収合併審査委員会の権限、の3点であった。
4. FSAは、公衆に対する啓蒙活動や投資家補償制度の見直しなど、新しい規制体系への移行に向けて、精力的に活動している。
金融サービス・市場法の成立を受けて、関連する法律や規則の修正作業が必要となる。議会での審議が必要な法改正だけでも、91もの改正が必要とされている。また、既存の自主規制機関の統合作業や、12,000に上る認可業者の審査などが必要なため、新しい規制体系への移行が完了するのは2001年7月頃になる予定である。
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