1. 米国投信市場は99年、純資産残高が6.8兆ドルに達した。98年末の5.5兆ドルから24%の増加だった。株式投信とMMFが好調で、それぞれ1,875億ドル、1,939億ドルの純資金流入を得た。一方、債券投信とハイブリッド投信は合わせて179億ドルの純資金流出だった。
2. 長期投信の運用会社ランキングでは、99年の上位20社は98年と同じ顔ぶれで、それらの中での順位の入れ替えが行われた。個別ファンドのランキングでは、割安銘柄に投資するバリュー・ファンドとハイブリッド投信が不調で、純資産残高が前年比マイナスを記録したものもあった。
3. 投信の商品に関する話題では、株価指数の20%を超える上昇の中、株式インデックス・ファンドが人気を博した。また、テクノロジー・セクターに集中投資するテクノロジー・ファンド、その中でもインターネット関連企業に投資するインターネット・ファンドが100%を超える高パフォーマンスで注目を集めた。
4. 投信運用会社の戦略に関する話題では、99年はかつての投信直販や投信スーパーマーケットに匹敵するような大型の販売戦略イノベーションは見られなかった。むしろ、投信業界は、オンライン業者の進出を前に、今後、投信ビジネスにインターネットをいかに活用していけるかが問われた。
5. 投信の制度に関する話題では、投信のガバナンス強化を目指す動きに進展があった。業界内の改善努力をふまえて、証券取引委員会による規則改正提案が行われた。
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