1. ロンドン証券取引所は、ハイテク企業を集めた新しいマーケット・セグメント、「テック・マーク(techMARK)」を設立した。99年11月4日から公表が開始されたテックマーク指数は大幅に上昇し、ロンドンのハイテク企業の認知度アップに大きく貢献している。
2. ロンドン証券取引所がテックマークの設立に踏み切った背景には、英国には、高成長を期待できるハイテク企業のためのマーケットという性格を持った市場がないという批判への対応という面がある。ロンドン証取は、ハイテク投資を目指す投資家に分かりやすいセグメントを提供すると同時に、ハイテク・ベンチャー企業に対する投資家の注目を集めることによって、ベンチャー企業の成長にも貢献することを目指している。
3. テックマークの中でも、時価総額が40億ポンド以下の小型企業を集めたテックマーク100指数は、公表開始以降、すでに100%以上上昇した。流動性の低かった銘柄の売買も活発化している。
4. 市場を新たに設立することに比べると、上場ハイテク企業を構成銘柄として、新しい市場を作るという方法は、市場のアイデンティティを確立しやすく、投資家にとっても、新たに上場を目指す企業にとっても、分かりやすい。また、構成銘柄にボーダフォンなど人気銘柄が含まれていることも、テックマークが短期間で浸透するのに役立った。これまでに類例のない新しい試みは、まずは成功を収めたと評価することができる。
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