1. 金融当局は2000年5月、「銀行法施行規則等の改正について」および「新たな形態の銀行業に対する免許審査・監督上の対応(運用上の指針(案)について)を公表した。
2. これらの制度改革案は、2000年4月に公表された「金融サービスの電子取引の進展と監督行政」報告書の提言に基づいている。この報告書では、インターネット取引の特性を把握し、その有効活用を前提に金融監督方法の見直しを提言している。
3. この提言を受けて「銀行法施行規則の改正について」が公表されたことによって、銀行・証券・保険など金融商品のインターネット販売が可能となった他、預金商品と金銭債権の誤認防止、リンクがある場合のサービス提供主体の誤認防止などのリスクにも配慮した改正内容となっている。
4. 運用上の指針(案)は、インターネット専門銀行や決済専門銀行の設立によって異業種参入が活発化してくるのに備えて、これらの設立を認めていくとともに、いわゆる機関銀行化のリスクを封じ込めるための留意点が指摘されている。
5. これらの改正案が公表されたことによって、我が国の銀行業界は新形態の銀行が誕生し、いよいよ多様化の時代に入ることになった。金融監督行政のあり方、検査・監督態勢のあり方など、変化に対応した制度作りに向けて、金融審議会等での活発な論議が期待されるところである。
|