1. PFI(Private Finance Initiative)とは、公共事業に民間の資金や技術、事業運営能力を活用し、民間主導で効率的に社会資本の整備を行う手法を指す。英国で92年に発祥したこの手法は、わが国にも採り入れられ、99年9月にPFI推進法が施行された。その後、徐々に実施に移される案件が発生してきており、今後その数は更に増加してゆくことが予想される。
2. PFIは、金融機関にとっても新たな事業機会になると考えられる。手法としては、わが国でまだそれほど実績がないプロジェクト・ファイナンスが一般に用いられる。資金調達の方法は、現在のところローンが中心であるが、事業期間が長く、ALMの観点から銀行の貸出額には限度があるため、資本市場の活用が期待される。
3. 英国のPFI事業では、ここ数年、PFIボンドやPFIファンドなど、資本市場の活用が急速に進んでいる。その背景には、(1)PFI事業の実績が積み上がり、プレイヤーがPFI事業のプロセスやリスクの管理に習熟してきたこと、(2)生保や年金を始めとする幅広い機関投資家が、PFI事業への投資を活発化させていること、(3)金融保証会社の支払い保証により、債券の信用補完が図られていること、などが挙げられる。わが国PFI事業における資本市場の活用はまさにこれからであるが、PFI事業の発展と共に、案件が今後生じてくると思われる。
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