1. セントラル・カウンターパーティー方式の清算機関の利用は、証券決済におけるリスクやコストの削減、担保効率などに大きな効果がある。最近、欧米においてこの機能が再評価され、清算機関に関する動きが目立つ。
2. 欧州では証券決済を含む資本市場制度の効率化に向けた動きの中で、清算機関の役割が注目されつつあり、汎欧州単位で単一の清算機関をつくろうという動きが出てきている。この動きの中で清算機関の役割に関する議論全体が活発になり、清算機関の組織的なあり方などの考え方がまとまってきている。
3. これを受けて米国でも多商品の清算機関を統合する動き、また、クロスボーダー取引の清算業務を効率的に行うためのグローバルな清算機関の提携・統合の可能性を模索する議論が始まった。
4. わが国でも株式の統一清算機関の設立計画などが報道されている。清算機関に関する議論は日証協を中心とした証券決済改革の取り組みの中などで進められている。欧米で清算機関のあり方に関する議論が活発化する中、わが国における取り組みでもこれらの議論に注目していく必要があろう。
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