1. 生命保険会社10社の個人保険・個人年金の保有契約高は1999年度比2.9%減と4期連続の前年度割れとなった。契約者の生保離れが進むがその一方で、保障・貯蓄機能を併せ持つアカウント型商品を投入し新契約高が大幅増となる会社もみられた。
2. 10社の保険収支状況は、保険料等収入が伸び悩むなか保険金等支払金が1999年度比13%減となったことで結果的に改善した。運用収支は保有有価証券の時価評価で有価証券評価損が74.3%減となったが、利息配当収入が1999年度比16.6%減、有価証券売却益が66.4%減と運用収益が減少し、1999年度比25.5%の減となった。
3. フローの収益指標として「基礎利益」が新たに導入された。主要10社は1.3兆円に達する逆ザヤを埋めるに十分な基礎利益(10社で2兆911億円)を確保している。
4. ストック指標のソルベンシーマージン比率は、公社債、外国証券の含み益を新たに反映させるなど算定方法が修正された。株式含み益が大幅に減少、計算方法の変更でリスク額が増加したため、1999年度に比べ全社で比率が低下した。
5. 資産内容をみると、各社は国内株式、不動産といったリスク性資産の削減、政策株保有の見直しを進め、国内債へのシフトを進めている。
6. 保険販売や保有契約高伸び悩み、逆ザヤ、株安など、保険、運用業務における閉塞感を打破するにはなお時間がかかると考えられる。
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