1. 加入者個人が自ら運用指図をし、その成果に応じた給付を受ける確定拠出年金法案が、2001年6月22日、参議院で可決、成立し、同年10月1日から施行される。
2. 企業型確定拠出年金を運営する企業は、適切な運用商品、投資教育や十分な情報開示などの適切な投資環境を加入者(従業員)に対し提供しなければならない。その要として、企業や企業をサポートする運営管理機関等に利益相反行為などを禁じる受託者責任や行為準則が定められている。
3. 適切な投資環境の整備に当たって、きわめて重要なのが運用商品の選定である。確定拠出年金法では、運用商品の選定について、企業が自ら行うだけでなく、運用関連運営管理機関に委託することが想定されている。
4. 一方、米国401(k)プランでは運用商品選定の受託者責任は企業にある。金融サービス業者はプランに様々な商品や情報提供を行うが、商品選定上の最終的な責任を負うことはない。企業と金融サービス業者とが契約する場合にも、利益相反行為とみなされないよう細心の注意が払われている。
5. 我が国企業も運営管理機関に運用商品の選定を委任する場合は、特に利益相反が生じないよう注意が必要である。適切な運営管理機関の選定基準や選定プロセスを社内に整備し実行することは、加入者に対する受託者責任に応えることになる。
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