1. 米国投信業界では、ここ数年、投信手数料のあり方についての議論が進められている。最近の動きとしては、2001年1月、証券取引委員会(SEC)から投信手数料に関する報告書(SECスタッフ報告)が発表された。
2. SECスタッフ報告では、過去20年間にわたる投信手数料の分析が行われた。その際、証券会社、銀行等の販売業者に支払われる手数料、中でも「12b-1費用」と呼ばれる販売関連手数料の用いられ方の変化が強調された。同報告では、投信手数料の投資家向け情報開示強化とともに、この12b-1費用をめぐる規制の見直しが提案された。
3. 米国投信業界の販売チャネルは近年、様々な発展を遂げており、12b-1費用の用いられ方の変化はその一つの表れと言えた。代表例として、投信スーパーマーケットの「棚貸し料」、401(k)プランの「レベニュー・シェアリング」、12b-1費用を伴う「クラス・シェア」を通じた直販会社の公販チャネルへの進出が指摘できた。
4. 米国では今後、市場動向次第で投信手数料への注目が高まるのは避け難いと考えられる。高い、低いという単純な感覚論を避け、適切な手数料の議論を行うためにも、手数料がどのようなサービスの対価なのか、そしてそれがどのように変化しているのかを確認することは重要と言えよう。
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