1. 国内主要生保12社の個人保険・個人年金の保有契約高は、前年同期比2.9%減となった。12社平均で4%減少した1999年度上半期に比べると、減少幅は縮小している。自由化対応商品の投入が本格化、12社の個人保険・個人年金保険の新契約高が微増となり、前年度までの解約拡大にも歯止めがかかっている。保険収支も、保険金等支払金の減少で大きく改善した。依然環境は厳しいが、保険販売面ではやや明るさがみえている。
2. 経常収益では、資産運用収益が前年同期比10.6%増となった。ただこれは「特別勘定評価益」の計上基準変更で同評価益が大幅に増加した影響が大きい。低金利などで利息配当収入は減少し、株価低迷で株式売却益の計上を抑制するところが多かった。経常費用では、保険金等支払金の減少は各社の資金繰りに余裕を与えたと考えられる。解約のペースダウン、高コスト商品の満期到来が前年度にピークを迎えたことが大きい。
3. 運用面では、貸付金の減少、持ち合い株の圧縮などから、国債など債券へのシフトも予想されたが、実際には大きな動きはなかった。またユーロ安などから外国債券投資にも慎重な姿勢が目立った。今上半期は各社とも投資対象の選定には困難を伴った。
4. ソルベンシーマージン比率は12社全社で200%を上回ったが、前年度比で4社が100%以上低下した。今上半期からは、経営余力の実態を示す「実質純資産額」が公表された。
5. 今上半期に注目される出来事としては、外資系保険、損保会社を巻き込んだ保険業界の再編、金融商品の時価会計に伴う有価証券の保有目的別開示のスタートなどがある。
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