1. バーゼル委員会は、1990年代後半からオペレーショナル・リスクに関する調査を行っており、99年に発表された新BIS規制第一次市中協議案では、オペレーショナル・リスクを明示的な規制上の賦課対象とすることが提案された。
2. その後も、オペレーショナル・リスクの定義づけや賦課方法、損失データ収集、リスク管理のフレームワークを構築する際に留意すべき事項や監督当局としての指針等がバーゼル委員会を中心に公表されており、新BIS規制最終案に向けて着々と準備が進んでいる模様である。
3. オペレーショナル・リスクの定義は、リスクが発生する「原因」に着目している。バーゼル委員会は、原因が引き起こす「事象」、その結果起こる「損失」を指定することで、規制上のオペレーショナル・リスクの範囲を明確にしている。またそれをデータベース化し、計量化に用いることによるリスク軽減を企図している。
4. また、計測手法については、これまで何度か提案がなされているものの、未だ開発発展途上の段階にある。特に先進的計測手法については、今後、新たなモデルの提案が期待されているところである。
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