1. 金融サービス庁(FSA)は、2002年8月、ヘッジファンドに関するディスカッション・ペーパーを公表し、その中でヘッジファンドの一般投資家向け販売に関する論点を提示した。現行の規制下では認められていない一般投資家向け販売を可能とする場合に、どのような体制を整備すべきかを問うている。
2. 具体的には、(1)集団投資スキーム(投資信託などが含まれる)の規制を改正し、ヘッジファンドをその一種としてFSAが認可する、(2)証券取引所等の上場規則を改正し、ヘッジファンドの上場を認める、といった方法で一般投資家がヘッジファンドを購入できるようにする提案が示されている。
3. FSAの動きの背景には、実はヘッジファンドに投資するファンド・オブ・ファンズのかたちで、ヘッジファンドが既に一般投資家に販売されていることがある。また、ヘッジファンドを思わせるような複雑な商品設計を持つ投資信託が、不適切なかたちで勧誘・販売されたという問題も起きており、FSAには、早々にヘッジファンドの一般向け販売の体制を整備しようという意図があると考えられる。
4. 我が国でもヘッジファンドに対する関心が高まる中、一般投資家向け販売にまで踏み込んだ英国の議論は注目に値する。
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