1. 2002年10月、ゴールドマン・サックスとドイツ銀行が、経済統計数値に関するオプション取引をスタートさせた。
2. 最初の取引は、米労働省が発表する非農業部門の雇用者数に関するオプションであった。今後、米国小売売上高、ISM指数、GDP、インフレ率等のオプションも予定されている。
3. 取引メカニズムは、Longitude社が開発したParimutuel Derivative Call Auctionと呼ばれる仕組みを利用している。通常のOTC取引や取引所取引に比べ、少ない流動性でも価格発見が可能である他、システムとしての安定性、簡易性の面で特徴がある。
4. 経済主体が直面するリスクは、金融市場における価格変動のみならず、マクロ経済のパラメーターの変動や企業収益の変動、場合によっては天候の変動など、様々である。従来型のデリバティブズや保険で十分カバーされてこなかったリスクに対応するデリバティブズ取引の発達は、リスクヘッジの新たな可能性を広げていく可能性がある。
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