1. わが国のベンチャー企業創業期における資金調達先の実体を見ると、自己資金以外のリスクキャピタルでの調達は少なく、金融機関等からの借入れに頼る形となっている。また、リスクキャピタルの担い手となるベンチャー・キャピタルからの出資も、その設立目的が株式公開による直接的な利益の追求にあり、集まってくる資金は株式相場の影響を受けやすく、起業家側からはムラのある資金供給源となっている。
2. 他方、欧米ではエンジェル投資家が経営的アドバイスも行う有力な資金提供者として、創業間もない企業へ支援を行っている。
3. わが国においても中小企業創業活動促進法が設置され、エンジェル投資家を税制面で優遇していくことで、起業家への創業支援を促そうとしている。
4. しかし、必ずしも、これらの創業支援策の成果は上がっておらず、本レポートでは、米国の制度等も参考にしていきながら、問題点を抽出して改善策の検討を試みる。
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