1. 証書形式で発行される縁故地方債の割合が上昇する傾向にあるが、流動性のない証書形式の縁故地方債を増加させることが有益かどうかについては議論の分かれるところである。
2. 民間資金に占める縁故地方債の割合は徐々に低下し、公募地方債の割合が増加しているが、公募地方債への期待は今後一層強くなるものと考えられる。
3. 現行の地方債制度においては、元利金の償還から資金の手当に至るまで、国によるさまざまなバックアップがなされており、財政状態に応じた利回り格差は本来発生しないはずである。財政状況を理由にした格差が生じてしまうのは、市場が国のバックアップの仕組みを充分に理解していないか、もしくは懐疑的であるかのどちらかであると考えられる。
4. 政府・地方公共団体が積極的にIR活動等を行うことにより、地方債に関する市場の理解を促していくことが重要である。
5. 投資家による地方債投資を拡大していくためには、地方債の魅力を高める必要があるが、地方債の商品性を国債に合わせることだけが魅力を高める方法ではない。多種多様な投資家のニーズに対応すべく、個性的な商品を提供するという考え方もあるのではないだろうか。
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