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資本市場クォータリー 2002年夏号
主要生命保険会社の2001年度決算の概要
─保有株式の下落を受けて財務体質の強化を推進─
鎌田 良彦(野村證券金融研究所),倉井 新三(野村證券金融研究所)
要約
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1. 主要生命保険会社の2001年度の決算は、保有契約高の減少に見られるように、保険引受業務において厳しい経営環境が続いたのに加え、株価の下落により有価証券の含み損益が大幅に減少し、ソルベンシー・マージン比率や自己資本の減少を招いた点に特徴がある。こうした状況を受けて、財務体質強化のための基金の取り入れ、リスク資産である株式の圧縮、団体年金保険など低採算事業の縮小・撤退、などの経営改善策が活発化した。

2. 2001年度の主要生保10社合計の新契約高は、前年比5.5%増の120兆2,178億円と2年連続で増加した。これは、団体保険が住宅ローンを対象とする団体信用生命保険の契約増などで増加した要因が大きい。一方、保有契約高は、解約・失効高が再び増加に転じたことや、団体年金保険の業務縮小を行った会社もあり、前年比2.4%減の1,549兆5,109億円と5年連続で減少した。

3. 業務利益を示す基礎利益を見ると、2001年度は主要10社合計で、前年比0.8%減の2兆743億円となった。保有契約高の減少に比べて減益幅が小さいのは、解約高が多かった会社では従来の責任準備金の取崩で利益が計上されるなど、一時的な要因があったためと見られる。2001年度から逆ざやの計算方法が統一されたが、主要10社合計の逆ざや額は前年比645億円減の1兆2,498億円と若干改善した。

4. 主要10社合計の経常利益は、前年比68.2%減の5,658億円、当期剰余は前年比57.3%減の3,333億円とそれぞれ大幅減益となった。保有株式の減損処理額の増加により有価証券関連損益が悪化したことがその要因である。一部の会社では、過去に引当てた危険準備金や価格変動準備金の取崩を行ったが、有価証券関連損益のマイナスを埋めきれなかった。

5. 財務体質を示す指標であるソルベンシー・マージン比率は、保有株式の圧縮やヘッジにより分母のリスクの総額が減少したものの、有価証券含み損益の減少による分子のソルベンシー・マージン総額の減少が上回ったため、2001年度末の主要10社合計では628%と前年比で50%ポイント低下した。実質純資産額も前年比21.6%減の13兆円6,613億円となった。

6. ソルベンシー・マージン比率の低下に対し、主要生保では基金の取入やリスク資産である株式の圧縮を進めた。主要10社合計で2001年度には1.8兆円弱の保有株式の売切りが行われたと試算される。

7. 今期については、保有契約高の減少が継続すると見られるのに加え、低金利の継続で逆ざや額の改善も見込めないため、基礎利益は減少が続くと考えられる。こうした中で、財務体質強化と将来の内部留保拡大を目指した基金の取り入れと、リスク資産である株式の圧縮や、低収益事業である団体年金保険の見直しなどが継続すると予想される。10月から解禁される個人変額年金保険を中心とした保険商品の銀行窓販への対応も注目される。

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