1. 我が国では、2001年度に東証と大証が相次いで株式会社化し、共に自社株式の上場を目指している。海外には既に上場している取引所があり、これらの取引所の業績や株価の動向は、両取引所の今後を見通す上で、参考になる。
2. 2001年以降の株価の下落により、オーストラリアを除く上場取引所を取り巻く環境は厳しいものとなっている。ただ、取引所の業務内容は大きく異なっており、環境悪化の影響を受けて大幅な減益になった取引所もあれば、逆に収益や利益を伸ばした取引所もある。
3. 海外の上場取引所の株価は、相対的に堅調に推移している。2001年7月以降、オーストラリア証券取引所を除く5取引所が、各国の代表的指数を2割以上アウトパフォームしている。
4. 取引所の株価が堅調なのは、収益性が高いことが一つの要因であろう。東証や大証は、海外の取引所に比べ収益性が低く、市場参加者や上場企業の利益を損なわずに、収益性をいかに高めるかが問われる。
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