1. 日本ローン債権市場委員会(JSLA)により譲渡を前提としたローンを標準化する作業が進行中である。
2. ローンを流動化する仕組みを整備する必要性が唱えられてきた背景には、BIS規制による銀行へのさまざまな制約等がある。また不良債権問題の処理に資するという思惑も仕組みの整備を後押ししてきた。
3. JSLAでは、金融機関を前提として議論を展開している。基本契約書においては譲渡人が保有する債務者の信用に関する情報を譲受人に対して開示する事を原則として義務付けていない。
4. JSLAの動きは有意義であるが、残された課題も多い。とりわけ既に融資契約を締結しているローンに与える影響は極めて限定的となる可能性が大きい。
5. 今後多くの投資家がローンを新たな金融商品として位置付けていく可能性がある。ローンの流通市場を拡大させるために、これらの投資家の参加を促す仕組みを創る事は、我が国にとっての長期的課題であろう。
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