1. 2001年11月29日、米国のエネルギー企業エンロンの経営危機をきっかけとして、同社の発行するユーロ円債を資産として組み入れていた日興アセットマネジメント、日本投信、UFJパートナーズ投信、スミセイグローバル投信の4社が運用するMMF(マネー・マネージメント・ファンド)が、元本割れを起こすという事態が生じた。これを機に、わが国では、MMFの規制に対する関心が高まっている。
2. 米国のMMF(マネー・マーケット・ファンド)は、(1)満期までの期間が397日以内で、複数の格付け機関から上位2位以内の短期格付けもしくは上位3位以内の長期格付けを取得している証券にのみ投資し、(2)満期までの平均残存期間を90日以内とし、(3)格付けの低い「第二分類」資産の組み入れ比率を一定以下に抑えるとともに銘柄分散を行う、といった規制を受けている。
3. こうした規制の下にある米国でも、MMFが元本割れを起こすという事態が生じたこともある。しかし、運用会社が価格の大幅に下落した組み入れ証券を買い取るといった方法で、投資家に損害を及ぼさないようにすることが認められているため、組み入れ証券のデフォルトといった事態に直面しても、多くの場合、元本割れを回避することができている。
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