1. 経営と資本の所有が一体化している中小企業の事業承継が、相続によりスムーズに遂行できないと考えている経営者が増えてきている。経営者全体の52%が相続税負担による事業承継問題を意識しており、更に従業員100人以上の規模の経営者においては約70%が意識しているという結果となっている。
2. 背景には後継者不足という社会的問題と、欧米先進国と比較しても、高率の相続税が課せられている点が指摘できよう。
3. 欧米先進国では事業体の永続性確保のための措置として、事業用資産の相続税控除制度が設けられている。
4. 昨年12月19日に決定された、財務省の平成14年度税制改正大綱では、事業承継関連税制の変更が盛り込まれた。取引相場のない株式の相続税控除制度が導入されたが、該当企業に相続税評価額の上限が設けられている点、株式のみで事業用資産を包括的に網羅できていない点等、改善の余地があるといえる。
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