1. 1990年代後半、世界各国でベンチャー企業向けの証券取引所が次々と新設された。香港証券取引所が創設したGEM(成長企業市場)は、1999年11月末から取引が開始され、はや2年が経過しようとしている。
2. GEMの特徴として、既存市場であるメイン・ボードよりも上場基準が緩いが、その反面、情報開示やスポンサー制度など、メイン・ボードよりも厳しい規則も設けられている。また、上場認可手続きの透明性を高めることや、市場の流動性を改善することを目的とした上場規則の改正が、2001年10月1日から実施された。
3. 10月末現在の上場企業数は92社、時価総額は496億HKドル(約7,787億円)で、ピークとなった2000年8月と比較すると、ほぼ半分である。2000年3月17日時点を1,000ポイントとして算出し始めたグロース・エンタープライズ指数(GEI)は、10月末現在177.52ポイントとなっている。
4. このような状況下でも、上場企業数は伸びつづけている。中国版ベンチャー証券取引所設立の延期により、中国市場に上場しようとしていた企業が香港のGEMに上場してきているのが一因である。また、上場後の株価が上昇している企業も少なくなく、ベンチャー企業や投資家が完全に離散したわけではない。
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