1. 米国では、未公開株に投資する、いわゆるプライベート・エクイティ(PE)投資を始めとするオルタナティブ投資が広く盛んに行われている。
2. 米国では、どのような投資にどのような事業体を器として用いるかは基本的に自由である。そのような中で、PE投資では、ファンドとしてリミテッド・パートナーシップ(LP)が多くの事例で利用されている。これは、LPが、二重課税を排除しつつ有限責任性を確保できる、制約のない汎用的な事業体であるためである。
3. これに対してわが国では、投資の器が、それぞれ個別の立法措置によって縦割りに作られている。このような構造が、多様化する投資家ニーズに応え得る機動的な商品設計の妨げになっている可能性がある。
4.今後、ファンドを用いた金融取引が一層多様化していくことが想定される中、わが国においても、米国のように、二重課税を排除しつつ有限責任性を確保できる一般的な仕組みを確立することが課題となろう。
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