1. 現在、米国には約250社の独立系リサーチ会社が存在するとされるが、純粋なリサーチ・ファーム以外に、ブローカレッジやアセット・マネジメント業務を行う会社や、投資銀行業務やコンサルティング業務を兼業する会社もある。
2. 独立系リサーチ会社に共通する特徴としては、大手証券会社のリサーチ部門と比べて規模が小さい、起業精神の旺盛な会社である点が指摘できる。ブランド力を誇るウォール街のリサーチにはない、独自の切り口や分析手法を追求している。
3. 独立系リサーチ会社は、2002年に入って、投資家への浸透を目指して、インベスターサイド・リサーチ・アソシエーションとベスト・インディペンデント・リサーチという二つの団体を結成している。
4. ウォール街の証券会社が独立系リサーチを購入するという、アナリストの中立性をめぐる包括的な和解案に関しては、強い関心を示す独立系リサーチ会社と関心のない会社とに二極化している。
5. 今後、証券会社が株式リサーチの一部をアウトソースするようになれば、独立系リサーチ会社にとっては新たなビジネスチャンスが到来することとなる。その一方で、セルサイドにリサーチを提供しない独立系リサーチ会社は、引き続き独創的なアプローチの投資情報を提供し、投資家との信頼関係を構築することに注力するであろう。
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