1. 欧州の2つの主要取引所で、市場区分の見直しが進んでいる。ユーロネクストが、2002年1月に新たな市場区分ネクスト・プライムとネクスト・エコノミーを創設したのに続いて、ドイツ取引所は新興企業向け株式市場ノイア・マルクトの廃止を含む、全面的な市場改革を行うとともに、2003年1月より、新たにプライム・スタンダード とゼネラル・スタンダードの2つの市場区分を設定した。
2. 両取引所の新市場区分は、既存の市場区分の中に、追加的に設定されている点と、市場区分に登録するための要件が、四半期開示や国際会計基準の導入など、より透明性の高い情報開示となっている点が特徴である。
3. 両取引所は、新市場区分への登録を増やすことにより、市場の透明性を高めることや、流動性の低い中小型銘柄に新たなブランドを構築してあげることで、知名度を向上させ、取引を活性化させることなどを、今回の見直しの眼目としている。
4. 今後数年の間に改革の成果が現れるかどうかは未知数であるが、一部の銘柄に売買の偏りがみられるわが国の取引所にとって、両取引所の市場区分見直しの発想は参考になると考えられる。
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