1. 2003年3月21日、財政長官の諮問を受けた専門家グループが香港取引所から上場監督機能を分離し、証券監督機関であるSFCに移管すべきであるという提案を行った。
2. 香港では、昨年7月に取引所が株価を基準とする上場廃止基準の導入を発表し株価の暴落を招いたいわゆるペニー・ストック問題をきっかけとして、上場監督機能のあり方について議論が行われていた。
3. 専門家グループの報告書は、現在の香港市場で、(1)市場の質、(2)取引所の利益相反、(3)上場企業の監督体制、(4)市場仲介者の監督体制、(5)監督機関の間のコミュニケーションについて問題が生じていると指摘した。
4. 今回の提案では、特に、株式会社化した取引所の営利目的と、自主規制機関としての役割との間で生じている利益相反が焦点となり、問題を抜本的に解決することを目的に取引所からの上場監督機能の分離が求められた。
5. 株式会社化する取引所が世界的に増加する中で、今回の香港のケースは取引所の自主規制機関としての機能と役割について、あらためて議論する上で重要な参考となろう。
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