1. シンガポール取引所(SGX)と豪州(オーストラリア)取引所(ASX)は、2003年3月31日、相互取引リンクにおける取引対象株式を従来の2倍に当たる100銘柄にそれぞれ増加やした。
2. 相互取引リンクとは、両証券取引所間の電子取引システムをリンクして、一方の取引参加者(証券会社)から他方の取引所に対して直接発注し、自国の通貨での決済を可能とするものである。相互取引リンクでは、両取引所の子会社であるポータル・ディーラーを通じて、売買注文が一元的に執行・決済される。
3. 現地の証券会社を通じた外国証券取引に比べ、機関投資家の取引コストは割高となるが、小口投資家ではメリットがあるといわれる。しかしながら、小口投資家がなじみの薄い外国株式への投資に積極的になりにくく、投資対象が優良銘柄であることを考慮しても、相互取引リンクにおける売買高は多いとはいえない。
4. わが国では、2003年5月に、国内取引所が海外の遠隔地会員からの注文を直接受注できるなどの証券取引法が改正された。わが国の証券取引所も、仕組みは異なるとはいえ、シンガポールと豪州が行っているような、諸外国の取引所との相互取引のためのリンケージを構築していくことが考えられる。
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